板碑

台東区の文化財 板碑

 

 

 

 扁平な細長い石の上部に二、三条の横線を刻みその上は山の形に尖らせ横線の下に仏像又は仏を表す梵字を刻み、年月日、法名、造立の趣旨などを記入した一種の石塔婆である。この板碑の流行した年代は、古いもので西紀一二二七年、新しいもので一五九八年、大体鎌倉時代から室町時代末期までで、分布は、山形、徳島に二、三ある以外はほとんど関東地方特に東京埼玉に多く現存し、その材質は秩父産の緑泥片岩俗に青石と呼ばれているもので、年代の古いものほど大きく、最もさかんに造られた室町時代のものは大体一米以下のものが多い。

 この板碑造立は、死者の冥福を祈る追善のもの、自分の死後の安楽を願う逆修のもの、或は仏を讃えるものなど色々ある。殊にこの時代は、猛古襲来をはじめ戦さにあけくれした時代で、出征した父、夫、息子たちの武運長久を祈るものや、戦歿した人々の追善のものが多い。

 

〇建治二年四月(一二七六年)北条時宗の頃、阿弥陀仏

〇弘安三年正月(一二七八年)北条時宗の頃、阿弥陀仏

〇正安二年二月五日(一三〇〇年)北条貞時の頃、上部欠損。建立者比丘尼妙阿。

〇応永三年正月(一三九六年)足利義持の頃、弥陀三尊

 

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